7月下旬から始まった撮影。気温30度超、ギラギラ射す日差しの下、イケメンも台無し、日焼けした無精ヒゲ面の玉山が、これまでにないハードな役柄に体当たりだ。
東南アジアのある国を舞台に、だましだまされの頭脳戦で監獄から脱出する元教師、圭吾(玉山)の戦いをスリリングに描くサスペンス。玉山は連ドラ 主演3作目。圭吾をハメた裏社会に切り込む週刊誌記者を鶴田真由(38)、怪しい異国の男を大森南朋(36)、現地在住の通訳を佐田真由美(31)が演じ る。
タイ海軍の協力を得てパタヤ市隣接のセタヒップ郡内に、約1カ月かけて刑務所セットを建設。だが、ここでの撮影は現地の諸事情により1日だけの強 行軍となった。タイ人と日本人半々のスタッフ・キャストは計約100人。タイ語、英語、日本語が飛び交う。過酷な暑さだけに、体調悪化に備えて美人ナース 隊も常駐し、玉山に「キュート!」とウットリの、にぎやかな現場だ。
もともとタイ好きで何度も訪れている玉山は、撮影前に1週間、バンコクに滞在し役作り。撮影でも監督のOKが出ると即、モニターへ走り演技を確認…と、暑さを吹っ飛ばす集中ぶり。
「復讐話ではなく、裏切られても光を求める男の話。人生の一部を描くようで難しいですが、がんばります」と骨太に演じている。米人気ドラマ「プリ ズン・ブレイク」を彷彿させる内容には「米ドラマのいい部分を抽出しつつ、アメリカ並みの予算はなくても芝居の努力と知恵で、麻薬のようなサプライズを加 えて、いい意味で視聴者を裏切りたい」。
鶴田も「展開で見せるドラマ。細かいことをすっ飛ばし、勢いで見せたい」と予測不能の展開に自信があるようだ。
一方、だまし合いの中心人物を演じる大森だが、自身は「だまされる方。ネズミ講とかね」と頭をかき、佐田は「だますタイプ!」と小悪魔発言で共演陣を笑わせた。